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NACT View 04 和田礼治郎:FORBIDDEN FRUIT

  • 開催終了
  • 小企画

《FORBIDDEN FRUIT》2023年
強化ガラス、真鍮、果物、植物

展示風景:広島市現代美術館
撮影:表恒匡

国立新美術館では2022年より新規事業として美術館のパブリックスペースを使った小企画シリーズ「NACT View」を開始しました。黒川紀章氏が設計した建築は、スペクタクルでありつつ、細部にまで意匠が凝らされています。多くの人が憩い、通り抜ける広場のようなパブリックスペースで、多くの皆さまに楽しんでいただけるよう、若手から中堅の美術家、デザイナー、建築家、映像作家を招聘し、現代の多様な表現をご紹介します。

1977年に日本の広島で生まれ、現在はドイツのベルリンで活動する彫刻家・和田礼治郎は、物理的な現象や力学による独自の手法を通じて、宇宙、生命、時間などの形而上学的な主題に取り組んでいます。水面にガラス製モジュールを浮かべた《ISOLA》、果実の腐敗の痕跡が真鍮板の上に抽象的な構図を生み出す《VANITAS》、時間の経過を暗示する液体としてのワインを用いた《SCARLET》、生の果実が空中に浮かぶ《STILL LIFE》などによって、国内外で評価を確立してきました。和田は時に環境に直接的に介入し、多次元的な配置が特徴的なその彫刻作品は、見る者の知覚と作品が置かれた空間に作用を及ぼします。本展では、和田は、《FORBIDDEN FRUIT》を展示します。

開催概要

会期

開館時間

美術館の開館時間に準ずる

会場

国立新美術館 正面入口前(屋外)
〒106-8558東京都港区六本木7-22-2

主催

国立新美術館

協力
SCAI THE BATHHOUSE

観覧料

無料

お問合せ

050-5541-8600(ハローダイヤル)

作家プロフィール

和田礼治郎(わだ・れいじろう)

展示作品

FORBIDDEN FRUIT

2024
強化ガラス、真鍮、ブロンズ、果実、果樹
tempered glass, brass, bronze, fruits and plants


インスタレ―ション《FORBIDDEN FRUIT》は、複数の強化ガラスと生の果実と果樹で構成されています。作品の中央にある等身大の空間から投企された様々な果実は、強化ガラスの間に挟まり、空中で静止しています。瑞々しい果実は時間の経過とともに落下し、地面で朽ち果てていきます。作品タイトルの「禁断の果実」は、旧約聖書『創世記』の挿話「失楽園」に登場する「知恵の樹」を示唆しています。本作には、神話にまつわる林檎、葡萄、無花果、柘榴などの様々な果実の他にも、砲弾やケシの実のようなブロンズの異物も使用されています。一方、放射状に配置された強化ガラスの構造体は、ある種の透明なパノプティコン(展望監視システム)の形状を成しています。構造体の中心の虚空は、神話における楽園の中に人間的な争いが潜んでいることを暗示しています。本作は、建築と庭園の要素を統合しつつ、生命と時間という根源的なテーマを風景として結晶化させています。

リーフレット

「NACT View」シリーズとは

「NACT View」

「NACT View」は、若手から中堅の美術家、デザイナー、建築家、映像作家といった様々なジャンルの作家を、国立新美術館のパブリックスペースを使用して紹介する新たな小企画シリーズです。シリーズ名は、英語の館名「The National Art Center, Tokyo」の略称「NACT」と、「眺め、風景/見方、考え方」を意味する「View」に由来します。国立新美術館のパブリックスペースは、展覧会を鑑賞する人だけでなく、カフェやレストラン、ライブラリーといった施設の利用者から、ただ建物を通り抜ける人まで、様々な人が行き交う場所です。「NACT View」は、このような空間に作品を展示することで、美術館を訪れるあらゆる人が、気軽に現代の表現に親しめる機会となることを目指しています。今後、本シリーズと連動したワークショップやトークなども行っていく予定です。

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