イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル
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- 開催終了
- 企画展
20世紀のファッション界を席巻し「モードの帝王」とよばれたイヴ・サンローラン。
イヴ・サンローランはクリスチャン・ディオールの急死をうけ、1958年にディオールのデザイナーとして鮮烈なデビューを飾ります。1962年からは自身のブランド「イヴ・サンローラン」を発表。それ以来、2002年の引退まで約半世紀にわたって世界のファッションシーンをリードし、サファリ・ルックやパンツスーツ、ピーコート、トレンチコートといったアイテムを定着させるなど、女性たちのワードローブに変革をもたらしました。
本展はイヴ・サンローラン美術館パリの全面協力を得て、没後日本で初めて開催される大回顧展です。わずか21歳で衝撃的なデビューを果たしてから、自身のブランドとして初のコレクションを成功させ、美術作品や舞台芸術、そして日本にも影響を受けながら独自のスタイルを確立するまでの40年にわたる歴史を、ルック110体のほか、アクセサリー、ドローイング、写真を含む262点によって、12章構成で余すところなくご紹介いたします。20世紀後半における偉大な才能であるイヴ・サンローランから生み出される、唯一無二でありながら、豪華絢爛な美の世界を間近でご堪能いただける大変貴重な機会となります。
開催概要
- 会期
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毎週火曜日休館
- 開館時間
10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで
※11月26日(日)・12月3日(日)・12月10日(日)は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで- 会場
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国立新美術館 企画展示室1E
〒106-8558東京都港区六本木7-22-2 - 主催
国立新美術館、産経新聞社、TBS、ソニー・ミュージックエンタテインメント
特別協力:イヴ・サンローラン美術館パリ
特別協賛:SAINT LAURENT
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ、BS-TBS、TBS ラジオ
協賛:SOMPOホールディングス、野崎印刷紙業
協力:日本航空
企画協力:Ueki & Associés
- 観覧料
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(税込)
当日 2,300円(一般)、1,500円(大学生)、900円(高校生) 前売 2,100円(一般)、1,300円(大学生)、700円(高校生) - 中学生以下は入場無料。
- 障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料。
- 10月7日(土)~9日(月・祝)は高校生無料観覧日。(学生証の提示が必要)
- 本展は事前予約不要です。チケットの詳しい情報は、展覧会ホームページのチケット情報をご覧ください。
- 学校等の教育活動でのご来館についてはこちらをご覧ください。
- 会期中に当館で開催中の他の企画展および公募展のチケット、またはサントリー美術館および森美術館(あとろ割対象)で開催中の展覧会チケット(半券可)を国立新美術館チケット売場で提示された方は、本展覧会チケットを100円割引でご購入いただけます。
- 国立美術館キャンパスメンバーズ加盟の大学等の学生・教職員は本展覧会を学生1,300円、教職員2,100円でご覧いただけます。国立新美術館チケット売場でお求めください。
その他の割引などお得な情報はこちらをご覧ください。 - 会場での観覧券購入に次のクレジットカードと電子マネー等がご利用いただけます。
クレジットカード:UC、MasterCard、VISA、JCB、AMEX、Diners Club、DISCOVER 電子マネー:Suica(スイカ)、PASMO(パスモ)、ICOCA(イコカ)等、iD その他:J-Debit、銀聯
- お問合せ
050-5541-8600(ハローダイヤル)
作家プロフィール
イヴ・サンローラン
1936 フランス領アルジェリア、オラン生まれ。
1954 17歳で国際羊毛事務局主催のコンクールのドレス部門で入賞。
1955 当時の『ヴォーグ・パリ』編集長の推薦により、クリスチャン・ディオールのアシスタントとして迎えられる。
1957 クリスチャン・ディオールの急死によりディオールの後継者に選ばれ、世界最年少のクチュリエになる。
1958 最初のコレクションを発表し好評を博す。
1961 ピエール・ベルジュらと共に高級注文服であるオートクチュールメゾン「イヴ・サンローラン」を設立し、翌62年、イヴ・サンローランの名を冠した初となるコレクションを発表。
1963 初来日、春夏コレクション発表。
1965 モンドリアンから着想を得たドレスが大好評を得る。
1966 プレタポルテ(既製服)のブティック「サンローラン リヴ・ゴーシュ」をオープン。
1975 再来日、秋冬コレクション発表。
2002 引退を発表し、ポンピドゥ・センターで最後のショーを開催。ピエール・ベルジェ・イヴ・サンローラン財団を設立。
2008 71歳で逝去。
主な展覧会
生前
1983 メトロポリタン美術館(アメリカ、ニューヨーク)
1985 パレス・オブ・ファインアート(中国、北京)
1987 エルミタージュ美術館(ロシア、サンクトペテルブルグ)
1990 セゾン美術館(日本、東京)
没後
2010 パリ市立(プティ・パレ)美術館(フランス、パリ)
2011 マフレ財団展示室(スペイン、マドリード)
2012 デンバー美術館(アメリカ、デンバー)
イヴ・サンローラン美術館パリ
オートクチュールメゾンの閉鎖から15年後の2017年7月に「ミュゼ・ド・フランス」*に指定され、同年10月に開館。1974年から2002年までの約30年間イヴ・サンローランがコレクションをデザインしてきたパリ、マルソー通り5番地に位置する。約450平方メートルのスペースで、回顧展やテーマ別の企画展を随時開催し、ピエール・ベルジェ・イヴ・サンローラン財団の豊かでユニークなコレクションを紹介している。
*2002年1月4日付の法律に基づき、国によって承認され優先的に支援を受ける美術館を指す。2023年現在、フランス各地の1220余りの美術館が指定されている。
みどころ
作品リスト
イヴ・サンローラン展 作品リスト(日本語)/イヴ・サンローラン展 作品リスト(英語)
イヴ・サンローラン展 作品リスト(中国語)/イヴ・サンローラン展 作品リスト(韓国語)
1. 日本初公開のドレスなど262点を一挙公開
1958年のディオールでの衝撃的なデビューから、引退する2002年まで40数年余りの間に発表された作品の変遷を網羅したオートクチュール*のルック110体のほか、ドローイング、写真、映像など貴重な資料を一堂に集めて紹介することで、イヴ・サンローランのデザイナーとしての人生とその創造の全貌に迫ります。
*パリ・クチュール組合に加盟する高級衣装店や、そこで作られるオーダーメイドの一点物のこと。
2. 現代にまで続く女性の普遍的なスタイル
イヴ・サンローランは1960年代において男性のものという認識がまだ根強かったパンツスタイルを積極的に取り入れるなど、衣服が持つジェンダーのイメージを超越してデザインすることで、時代が求める新たな女性らしさ、エレガンスを生み出しました。1966年にはプレタポルテ(既製服)へ参入したこともあり、サンローランが提案したスタイルは急速に広まりました。サンローランはピーコート、パンツスーツ、トレンチコート、タキシードなど、先駆的に紳士服を女性向けに改良したことで注目されるようになります。現代では女性のワードローブとしてすでに定着しているサンローランの普遍的なスタイルをご紹介いたします。
3. 芸術作品から着想を得たスタイルの確立
イヴ・サンローランはモンドリアン・ルックに代表されるような美術作品とファッションの融合を提案することで、伝統的なオートクチュールモードの世界に新風を吹き込んだほか、演劇、バレエといった舞台芸術や映画の衣装制作など様々な芸術分野との協働に積極的に取り組みました。芸術作品とオートクチュールにつながりを作ることによって、ファッションは絵画や彫刻、建築といった芸術分野と同様に価値あるものだとし、作品から受けたインスピレーションを身体が土台となる生き生きとしたファッションへと結実させていったのです。
作品紹介
Chapter 0
ある才能の誕生
A Talent Emerges
幼い頃、家で絵を描くことが好きだったイヴ・サンローランは、絵本の装丁や挿絵を手掛けた後、ファッションに情熱を傾けるようになりました。
1953年、17歳でパリに渡り、コンクールのドレス部門で入賞したことをきっかけに、クリスチャン・ディオールのアシスタントに抜擢されます。1957年にクリスチャン・ディオールが急逝した後、21歳の若さでディオールのチーフデザイナーを務めることとなりました。1958年にはディオールで最初のコレクション「トラペーズ*・ライン」を発表し、後継者として熱狂的に迎え入れられます。
Chapter 1
1962年 初となるオートクチュールコレクション
1962: The First Haute Couture Collections
ディオールで6つものコレクションを手掛け、デザイナーとして成功を収めた後、1961年にピエール・ベルジェらと共にオートクチュールメゾン「イヴ・サンローラン」を設立。翌年に発表された初のコレクションでは、船乗りの作業着に着想を得たピーコートなどを発表し、大きな注目と賞賛を浴びました。
Chapter 2
イヴ・サンローランのスタイル アイコニックな作品
The Yves Saint Laurent Style: Iconic Pieces
イヴ・サンローランの代名詞的存在となったデザインの中でも特に革新的だったのは、紳士服からヒントを得て作られたタキシードやジャンプスーツ、サファリ・ルック、トレンチコートなどです。彼は、紳士服のカットの美しさ、快適さ、実用的な側面を維持しつつ、シンプルさとエレガンスを組み合わせた女性のシルエットを生み出しました。これらの作品の発表は女性解放運動が興隆した時期と重なっていたこともあり、時代の空気と呼応したスタイルは、人気を不動のものにしました。そのほか、ネイビールックなど女性らしくアレンジが施された服装も手掛けました。
Chapter 3
芸術性 刺繍とフェザー
Artistry: Embroidery and Feathers
イヴ・サンローランの作品は、織工、染色、捺染、刺繍、金細工、銀細工など、多くの熟練した職人たちによって支えられていました。長年にわたって受け継がれてきた技術を持つ職人たちと密接な関係を保つことで、展示作品に見られるように極めて精緻なデザインを実現可能にしました。彼の厳格なまでの完璧主義は、一つの作品を完成させるのに、何百時間もの作業を必要としました。
Chapter 4
想像上の旅
Imaginary Travels
「これまで経験したもっとも美しい旅行は、リビングのソファでの読書を通じたものだった」
─イヴ・サンローラン
彼は読書や美術作品の収集によって想像を巡らせる「机上の」旅を通じて、モロッコ、サハラ以南のアフリカ、ロシア、スペイン、アジアといった遠い土地へ抱いた幻想をデザインで表現しました。やがて、鮮やかな色彩や独特な形によって表された「異国情緒」は、イヴ・サンローランの作品にとって不可欠な要素になりました。
Chapter 5
服飾の歴史
Fashion History
キャリア全体を通じて、イヴ・サンローランはヨーロッパの様々な時代に特徴的な装いを自身のデザインに取り込みました。古代ギリシア・ローマ彫刻がまとっているようなドレスや、中世の装いを思わせるガウンなど、幅広い時代のスタイルを自在にデザインソースとしていることから、過去の服飾の歴史に敬意を払いながらも、自由な創造性を発揮していることがわかります。
Chapter 6
好奇心のキャビネット ジュエリー
Cabinet of Curiosities: Jewels
「アクセサリーは衣服を、そして女性を変容させる。」
─イヴ・サンローラン
アクセサリーはイヴ・サンローランの表現にとって非常に重要な要素でした。天然の真珠や宝石に固執することなく、木材、金属、ラインストーン、ビーズなどのイミテーションを多用することで、素材の無限の組み合わせを可能とし、想像力と表現の幅を広げていったのです。
Chapter 7
舞台芸術 ──グラフィックアート
Performing Arts – Graphic Arts
生きた芸術に魅了されたイヴ・サンローランは、演劇、バレエ、ミュージックホール、映画などの衣装を数多く制作しました。色彩や素材を駆使した絵画的手法と、綿密で生き生きとしたコントラストの強い線から伝わる描画の才能は、本展で展示されるスケッチに色濃く表れています。
Chapter 8
舞台芸術 ──テキスタイル
Performing Arts – Textiles
イヴ・サンローランは、オランで過ごした少年時代から演劇や舞台に夢中になりました。カトリーヌ・ドヌーヴ主演の映画『昼顔』やジャン・コクトーの演劇『双頭の鷲』、ローラン・プティが芸術監督を務めたミュージックホールなど、生涯を通して様々な演劇や映画の衣装を手掛けています。
Chapter 9
アーティストへのオマージュ
Homage to Artists
イヴ・サンローランは画家や作家など多くのアーティストたちと交流し、彼らの才能へ敬意を払った作品を多く発表しました。特にピカソ、マティス、ブラック、ファン・ゴッホ、ボナールといった過去の画家への強い尊敬と親愛の念は、作品の中でも表現されました。美術作品とファッションの融合は、伝統的なオートクチュールの世界に新風を吹き込んだのです。
Chapter 10
花嫁たち
The Brides
オートクチュールのファッションショーに欠かせないのがフィナーレを飾るウエディングドレスです。イヴ・サンローランは、19世紀の終わりから続く伝統的なガウンの形式と、新しい女性像として斬新なデザインの両方を展開しました。
Chapter 11
イヴ・サンローランと日本
Yves Saint Laurent and Japan
1963年の来日をきっかけに、イヴ・サンローランは日本の文化や伝統工芸品に魅せられ、その後の創造にも多くの示唆を与えました。一方、彼が発信するスタイルは、日本のファッションやデザインの世界にも様々な影響を及ぼすものでもありました。本章では、イヴ・サンローランと日本の関係を、資料を通して紐解きます。
関連図書
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