国立新美術館 広報担当
〒106-8558 港区六本木7-22-2
TEL: 03-6812-9925 / FAX: 03-3405-2532 / E-mail: pr@nact.jp
展覧会概要
「光」というタイトルのもとに、現代日本を代表する二人のアーティスト、松本陽子(絵画)と野口里佳(写真)による二人展を開催いたします。
松本陽子(b. 1936)は、1960年頃より抽象絵画の制作を始めますが、1960年代末に滞在したアメリカ合衆国でアクリリック(アクリル絵具)に出会い、新しい絵画の可能性を認識します。これは1980年代から1990年代にかけて実を結び、ピンクを主調とした独自の抽象絵画のスタイルを完成させました。近年では、緑の油彩画連作により、新しい境地を開いています。
1990年代初めより写真による制作活動を開始した野口里佳(b. 1971)は、《フジヤマ》(1997-)などの完成度の高い連作により、早くから注目を集めました。卓抜なテーマの選択と特有の距離感をたたえた画面は、写真というメディア自体の本質に迫るものとして、国際的にも高い評価を受けており、活躍を続けています。
松本陽子と野口里佳は、手がけるメディアや表現手法、そして世代も異なっています。しかしながら、光がその作品の重要なテーマの一つとなっているという共通点を持っています。むろん光は、内外の芸術において、さまざまな意味で古くから重要な主題となってきました。そのなかでも彼女たちの表現には、光の直接的な表象をめざすという、きわめて困難な試みを見て取ることができるように思われます。展覧会では、二人の作家の作品を、近作を中心にそれぞれ個展のかたちで展示することにより、現代芸術の一つの達成を紹介いたします。
会期 | 2009年8月19日(水)~10月19日(月) 毎週火曜日休館 ※ただし9月22日(火)は開館、24日(木)は休館 |
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開館時間 | 10:00から18:00まで ※金曜日は20:00まで。入館は閉館の30分前まで |
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会場 | 国立新美術館 企画展示室2E(東京・六本木) 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 |
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主催 | 国立新美術館 | ||||||||
観覧料(税込) |
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お問合せ | ハローダイヤル 03-5777-8600 |
出品者紹介
- 松本陽子
- 1936年東京生まれ。東京藝術大学美術学部油画科卒業。1960年頃より抽象絵画の制作を始める。1967年、滞在中のニューヨークで初めてアクリリック(アクリル絵画)に出会い、帰国後の1970年代から、本格的な試行を開始。1980年代から1990年代にかけて、ピンクを主調色とした独自の抽象絵画のスタイルを完成させる。光に満ちた密雲のような画面は、アクリリックとコットン・カンヴァスの特性を生かしたもので、高い評価を得た。近年は油彩画を再び取り上げ、特に2005年から始められた緑の絵画は、瑞々しい空間性により注目を集めた。主な展覧会に、国立国際美術館での個展(1991年)、神奈川県立近代美術館鎌倉での二人展(2005年)などがある。東京在住。
- 野口里佳
- 1971年埼玉生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業、同大学院芸術学研究科映像芸術専攻中退。1992年より写真による作品制作を始める。《フジヤマ》(1997-)などの完成度の高い連作により、早くから注目を集めた。その画面は、現実の光景に取材しながらも、卓抜なテーマと手法の選択、そして独自のフラットな光と色彩から生まれる対象との距離感により、超越的な印象を見るものに与え、写真というメディア自体の構造や本質にも迫る試みとして、国際的にも高い評価を受けている。主な個展に、「予感」丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(2001年)、「飛ぶ夢を見た」は原美術館(2004年)、「Somebodies」アイコン・ギャラリー(バーミンガム、2004年)、グループ展に「Life on Mars/第55回カーネギー・インターナショナル」カーネギー美術館(ピッツバーグ、2008年)などがある。ベルリン在住。
展覧会の見どころ
- Ⅰ 二つの個展
- 「光 松本陽子/野口里佳」展は、それぞれの独立した展覧会としても楽しめる個展を、2本連結するかたちで構成しています。松本陽子は、2005年の神奈川県立近代美術館・鎌倉館での二人展以来4年ぶり、野口里佳は2004年の原美術館での個展「飛ぶ夢を見た」以来5年ぶりの、大規模な展覧会となります。大作絵画を中心に、1980年代からの代表作約50点を紹介する松本展。ここ10年ほどのおもだった連作を網羅して約100点を展示する野口展。どちらも、それぞれの作家にとって、過去最大規模の展覧会となるでしょう。国立新美術館の2階の広々とした空間で、ゆっくりとご覧いただけます。
- Ⅱ 初めての顔合わせ
- 松本陽子と野口里佳は、この展覧会で初めて顔を合わせました。それぞれに充実したキャリアを持ち、人気も実力も高いアーティストですが、彼女たちが同じ展覧会に出品することは、これまでにありませんでした。活躍する分野も、世代も異なる二人の作家の表現が出会うところに、何が生まれるでしょうか。展覧会は、この初めての出会いを体験する、貴重な機会となることでしょう。
- Ⅲ 光というテーマ
- 「光あれ」――旧約聖書「創世記」の冒頭を持ち出すまでもなく、「光」は古来、人類にとって普遍的で重要な概念であり現象でありテーマでした。「光」を表現することは、つねに何らかのかたちで、芸術自体と深い関わりを持ち続けてきたと言えるかもしれません。松本陽子と野口里佳は、現代美術において「光」を表現する、ただ二人のアーティストというわけではありません。しかし、二人の表現は絵画と写真という二つの表現領域において、それぞれひじょうに特徴的で、また個性的なものです。この二人のアプローチをまとまったかたちで提示することによって、「光」という古くて普遍的なテーマを再考するきっかけになることと思います。
関連イベント
アーティスト・トーク
- 野口里佳
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日時 2009年8月22日(土) 14:00~16:00 会場 国立新美術館3階講堂 定員 先着250名 ※聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券可)が必要となります。
アーティスト・トーク
- 松本陽子
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日時 2009年8月30日(日) 14:00~16:00 会場 国立新美術館3階講堂 定員 先着250名 ※聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券可)が必要となります。
アーティスト・ワークショップ
- 「チャレンジ!抽象画~向き合う心、あふれ出る色~」 松本陽子
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日時 2009年9月12日(土) 13:00~16:00 定員 20名