ID:81373
小松 純 展 KOMATSU JUN Exhibition NONF.C.,2026
Venue
星光画廊
SEIKO GALLERY
Period
2026年1月19日(月)ー1月31日(土)
Exhibition Outline
小松 純 展 コマツジュンテン
KOMATSU JUN Exhibition NONF.C.,2026
往還する眼差し
中井康之
小松純の新作《内なる眼差しを外側へ》は、孔を穿った陶製の球体(H750×W900×D900mm)、ヒトガタの立体、棒状の要素、直径約180mmの丸形陶板81枚から成るインスタレーションである。
球体の無数の孔は、内と外の境界を「隔て」ではなく「往還」として立ち上げる装置であり、覗き込む視線に内部の暗さや厚み、こもる気配を想像させると同時に、外光や周囲の環境を取り込み、内側を外部の条件に応じて刻々と変化させる。
床面に配置されたヒトガタは観者の身体を代行し、球体と観者が同じ場に身を置き、互いに向き合う関係を可視化する。他方、棒状の要素は支持体であると同時に、転がすことで配置を崩し、関係性そのものを攪乱し得る不安定な軸として潜在している。
壁面の円形をした陶板である「泥盤」には、日々の印象を記録するドローイングが施されている。そのうち12枚にはアナログ時計キットが仕込まれており、針の微かな運動と駆動音が、過去に描かれた線と現在進行中の時間を重ね合わせている。
ここでは、内/外の往還は空間だけでなく、過去と現在、静止と運動、記憶と現在感覚のあいだの往復としても現れている。タイトルが示す「内なる眼差し」とは、内面の確信を一方的に外へ投影することではなく、外部の声や温度、光、時間の変化に向けて内側を開き、そのつど揺れ動く関係を引き受ける態度を指す。以前に述べたように、山極寿一がインゴルドを引きつつ警告した「関係を読む力」の誤作動は、関係を固定し、他者や自然を対象化することにおいて生起する。そのことを踏まえるなら、本作は、球体・ヒトガタ・棒状の要素と陶板群をゆるやかに呼応させることで、関係を可塑的で開いたものとして再び立ち上げる試みといえる。
小松の「新しい全体性」とは、異質な要素を一つに回収して閉じてしまう統一ではなく、互いに浸透しつつも決して一つになりきらない複数性の場としての全体である。床に置かれた陶の球体は重力と観者の立ち位置を可視化し、壁面の時計は別種の座標として時間の流れを示す。内と外、物質と時間、作品と観者の身体がたえず交感しながら編み上げるこの開かれた全体性こそ、「内なる眼差しを外側へ」と名づけられた小松の試みが、いま私たちに差し出している世界そのものなのである。
なかい やすゆき(美術評論家・京都芸術大学大学院客員教授)
- Closing Days
- 25日(日)休廊
- Opening Hours
- 12:00 ~ 19:00
- (土)12:00-17:00
Events
○初日、1月19日(月)17:00頃よりオープニングパーティーを行います。
Access Information
星光画廊 セイコウガロウ
SEIKO GALLERY
- Address
-
〒530-0047
大阪市北区西天満5-8-15 八千代ビル別館1階 - Website
- https://seikogallery.com/
Created Date:2026.1.27