南野 馨 展 KAORU MINAMINO EXHIBITION

南野 馨 展 ミナミノ カオル テン

KAORU MINAMINO EXHIBITION

同じ形の部品を組み立てることで全体が成り立つ造形を、南野馨は作品として作り続けている。近年取り組んでいるのは正多面体を基礎とする球形で、端正に仕上げられた幾何学的な形状は、機械のような印象を与えるものでもある。型押しによる同じ形の部品が揃う様子は、工芸的な職人仕事のあり方を示してもいる。同じ形の部品による高い構築性とともに、その表面は陶としての質感を保っているため、工芸とも彫刻とも受け取られながら、そのどちらともとらえがたい印象を受ける。幾何学的で端正な造形は、それ自体が何らかの機構を有するように見えつつ、淡然として動じるところがない。南野は、1990年から Prominenceという題名のもと、赤、黒、金という彩色で、太陽の放出する紅炎になぞらえたような情感あふれる作品を発表していたが、1997年から白と黒を基調とする機械的な作品に移り、題名もUntitledとなっている。情念的な表現から無機的な造形に転換したようにも見えるのだが、近作では金属的な光沢を放つ加彩が施され、また今回の新作は迷彩をまとうという。造形の端正さを保ったまま、情念的な表現が再びあらわれてきたのか、それともまた別の表現を切り開こうとしているのか、注目されるところである。
奥村 泰彦(和歌山県立近代美術館学芸員)

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(土曜4:00p.m.迄)

ギャラリー白kuro ギャラリーハク クロ

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