ID:76875

第3期 コレクション展 Collection Exhibition Ⅲ

Venue

宮崎県立美術館

MIYAZAKI PREFECTURAL ART MUSEUM

Period

10/5(土)~12/22(日)

Exhibition Outline

第3期 コレクション展 ダイ3キ コレクションテン

Collection Exhibition Ⅲ

■作名品セレクションⅡ +パリの日本人画家たち
宮崎県立美術館は、現在約4,200点の作品を収蔵しています。これらは、次の3つの収集方針に基づいて収集されています。
郷土出身作家及び本県にゆかりのある作品
わが国の美術の流れを展望するにふさわしい作品
海外のすぐれた作品
ここでは、当館のコレクションを代表する国内外の名品を展示しています。今回は、共に南仏サン・トロペに強い印象を受けて描かれたピエール・ボナールとポール・シニャックの作品、円と四角形で構成されるオノサト・トシノブの幾何学的な抽象画などを紹介しています。
また、フランス・パリに渡った日本人画家たちの作品を特集展示します。美術史に名を残す作家たちの名品の数々をご堪能ください

■宮崎の美術-クローズアップ1914
明治期以降、日本の美術は急激な西洋化の波にさらされます。日本の洋画家たちは、西洋画の写実表現や遠近法などを取り入れ、独自の表現を求めて模索を続けました。このような状況下で、国が主催する文展が創設されます。本県の洋画家では、西都市出身の塩月桃甫が、大正5(1916)年に文展入選を果たしました。また、都城市を代表する山田新一は、大正14(1925)年に文展を前身とする帝展に初入選し、中央画壇で活躍しました。一方、伝統的な日本画の世界においても、西洋画の要素や特徴を取り入れた新しい「日本画」への取り組みが進みました。本県を代表する日本画家として、文展で受賞を重ねるなど日本画界をリードした都城市出身の山内多門、同じく都城出身で、大正4(1915)年の文展において初入選で褒状を受けた益田玉城が挙げられます。
ここでは、これら宮崎県を代表する画家たちの作品を中心に紹介するとともに、1914年に生を受けた本県出身・ゆかりの5人の作家にスポットを当てた特集展示も行います。バラエティに富んだ作品をお楽しみください。

■画家と戦争
来る2025年は、戦後80年という節目を迎える年です。戦争を知る世代が減少し、記憶の風化などが問題になってきましたが、ここ数年で、世界情勢の流動化・不安定化が加速してきています。私たちが当たり前に謳(うた)ってきた、平和の尊さや大切さが脅かされるような現状が日々報道され、戦争は過去のことではないという現実を思い知らされます。本展では、ピカソやルオー、浜田知明、坂本正直らにより制作された、戦争をテーマや背景にした作品を紹介します。彼らは、自身の戦争体験や同時代に起こっている戦争への不安感、平和への祈りなどを、それぞれの方法で作品に込めて表現しています。画家や彫刻家にとっての戦争、彼らが表現した戦争を通して、ぜひ「戦争とは」「平和とは」ということについて、改めて見つめ直してみてください。

■瑛九と仲間たち
瑛九(本名:杉田秀夫)は、明治44(1911)年に宮崎市で生まれました。昭和11(1936)年に、カメラを使わず、印画紙に直接物や型紙などを置いて感光させて作るフォト・デッサンを瑛九の名で発表し、画壇にデビューしました。瑛九はフォト・デッサンの他にも油彩や版画など様々な表現に挑戦し、多くの作品を制作しました。
23歳の時、宮崎美術協会の創立集会で、当時宮崎に美術教師として赴任したばかりの山田光春と出会います。その後、山田を含めた仲間たちと美術グループ「ふるさと社」を結成してグループ展を行いました。瑛九の名で活動するようになった後も、自由美術家協会やデモクラート美術家協会といった美術団体、グループなどでの活動を通して、オノサト・トシノブや泉茂、靉嘔、池田満寿夫など様々な画家たちと交流しました。
ここでは、瑛九がその生涯の中で挑戦した様々な表現の作品とともに、交流のあった画家たちの作品を、資料やエピソードとあわせて紹介します。

■ミングッツィ-愛と優しさ
ここでは、イタリアを代表する現代彫刻家の1人であるルチャーノ・ミングッツィ(1911-2004)の作品を紹介します。初期には彫刻を絵画的に表現したアルトゥーロ・マルティーニ(1889-1947)から強い影響を受け、柔軟な身のこなしを見せる曲芸師や遊ぶ子供たちなど、具象的な作品を制作していましたが、その後、次第に半抽象的な作風へと変わっていきます。1950年代には極端な変形・形の単純化が見られるようになり、より劇的な表現のスタイルへと発展するとともに、強制収容所やガス室等、戦争に関連したテーマに取り組みました。これはミングッツィ自身が武器を取り、権力や占領軍に抵抗した第二次世界大戦の体験によるものです。
彫刻作品「二人の像」では、2人の頭部や腕などが大胆に省略され、座る人物には、あらゆる外敵から愛する者を守ろうとする空気が漂っています。ミングッツィは表現しようとする対象から様々な要素をそぎ落とすことで、その内部にある真の姿を表そうとしました。作品をとおして、私たちに人間の愛と優しさを語りかけているかのようです。

Admission (tax included)
観覧無料

Events

■ギャラリートーク
展示の見どころや作品について、分かりやすくお話しします。
途中からのご参加も可能です。お気軽にご参加ください。
場所:コレクション展示室
所要時間:30分程度
参加無料・申込不要
日時/テーマ/場所
10月20日(日) 14:00~/コレクション展(第3期)の見どころ/全室
12月1日(日) 14:00~/コレクション展(第3期)の見どころ/全室

Access Information

宮崎県立美術館 ミヤザキケンリツビジュツカン

MIYAZAKI PREFECTURAL ART MUSEUM

Address
〒880-0031
宮崎市船塚3-210 (県総合文化公園内)
Website
https://www.miyazaki-archive.jp/bijutsu/
Updated Date:2024.10.31
Created Date:2024.6.5