ID:47488

追悼展示 木下富雄

Venue

三重県立美術館 常設展示室 第1室

MIE PREFECTUAL ART MUSEUM

Period

2015年6月30日(火)―9月27日(日)

Exhibition Outline

追悼展示 木下富雄 ツイトウテンジ キノシタトミオ

現在の四日市市富田一色町出身の版画家・木下富雄が、昨年暮れに91年の生涯を閉じました。戦後間もない1952年、棟方志功の活躍を知り、日本人に適した芸術表現として木版画に着目した木下は、その後一貫して木版画の制作を続けました。その題材の多くは人物で、初期の《手》《Cry》《Women》で見られた人物の表情やかたちはまもなく抽象化、没個性化していきました。そして、自己の表現を確立した1958年の第26回日本版画協会展では、《仮面たちNo.1》などにより日本版画協会賞を受賞、その年に出品したニューヨーク、セント・ジェームズ教会主催の版画展でも2等賞を受賞、作品はニューヨーク近代美術館の買い上げとなりました。
当館では1982年の開館記念展「三重の美術・現代」からはじまり、1995年には県民ギャラリーで「木下富雄展」を開催。ことあるごとにこの重要な版画家を紹介するとともに、これまで41点にのぼる作品を収集してまいりました。
ギザギザとした輪郭を残す「突き彫り」の技法と、抑制された色彩による多色木版。作品を近くで眺めてみると、どれも実に細やかな神経で想像力にあふれた表現世界が隅々にまで広がっていることがわかります。生前、社会情勢を敏感に受け止め、人物像を介して繊細かつ強靭に発信し続けたこの版画家が残した作品の数々は、今、改めて評価される時期にきているといえるでしょう。

Access Information

三重県立美術館 ミエケンリツビジュツカン

MIE PREFECTUAL ART MUSEUM

Address
〒514-0007
津市大谷町11
Website
https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/art-museum/
Updated Date:2015.9.15
Created Date:2015.9.15