ID:42059
3館連携「松・竹・梅」展
[第111回展観]
松 ―美と徳の造形―
Venue
黒川古文化研究所
Kurokawa Institute of Ancient Cultures
Period
2014年4月19日(土)~5月18日(日)
Exhibition Outline
3館連携「松・竹・梅」展
[第111回展観] 松 ―美と徳の造形― マツ ―ビトトクノゾウケイ―
松は冬でも緑を保つことから、東洋においては高潔さの象徴とされ、長寿・繁栄の吉祥ともされてきました。その起源は古く、『詩経』、『論語』などの中国古代の古典にまで遡ります。六朝時代には、高節の士が松に喩えられ、人物画の背景にも描かれるようになりました。唐代になると、岩とともに描く松石図が流行し、豊かに茂る唐風の松が成立します。その表現は日本にも伝えられ、やまと絵や、和鏡の蓬萊文様などに受け継がれていきました。宋代には水墨技法を基調とした瀟酒な枝振りが好まれ、室町水墨画にはその影響が顕著にみられます。また、元以降に盛んになる文人画では、描き手の精神が筆墨に発露された様々な松が描かれていきます。
我が国でも松は古来、和歌に盛んに詠まれ、富士とともに描かれる三保の松原、高砂図に配される相生の松など、芸術との関わりは尽きることがありません。
このように日頃から接する機会の多いモチーフにも関わらず、それらに込められた意味や由来が紹介されることは必ずしも多くないように思います。本展は、関西の三館が連携し、松竹梅から一つずつテーマを選んで関連作品を陳列する「松・竹・梅」展の一環で、松の様々な造形と意味をご紹介します。日ごろ見慣れた松の姿に、古代より、脈々と受け継がれてきた東洋文化の豊かな伝統を実感していただければ幸いです。
3館連携「松・竹・梅」展の開催にあたって
松竹梅は、縁起のよい植物として現在でも広く親しまれています。もともとは、冬の寒さに耐えて緑を保つ、あるいは花を咲かせることから、中国において高潔さの象徴とされ、宋代以降は「歳寒三友」とも称されて、次第に吉祥のイメージが強まっていきました。ただ、そこに表された意味や由来を探っていくと、より多彩な世界があることに気づかされます。
このたび、黒川古文化研究所・大和文華館・泉屋博古館は、各館が松・竹・梅を一つずつ受け持つ連携展を企画しました。相互に借用を行って、日本・中国・朝鮮半島の絵画・鏡・漆器・陶磁器・文房具・刀装具など様々な作品を陳列します。
早春から新緑へ向う季節、奈良・京都・西宮と会場を巡っていただき、それぞれのモチーフの特質をとらえた先人たちの美意識と、その背後に込められた豊かな精神をご堪能ください。
- Organizer
- 公益財団法人 黒川古文化研究所
- Sponsership and Cooperation
- [後援]西宮市教育委員会
- Closing Days
- 毎週月曜日(ただし5月5日〔月・祝〕は開館し、7日〔水〕は休館)
- Opening Hours
- 午前10時 ~ 午後4時
- Admission (tax included)
- 一般500円/高校・大学生300円
- ※中学生以下無料、20名以上の団体は2割引
3館連携「松・竹・梅」展
入館料特別割引について
【実施期間 2014年2月21日(金)~5月18日(日)】
大和文華館「竹の美」、泉屋博古館「百花のさきがけ 梅の美術」、黒川古文化研究所「松―美と徳の造形―」展、いずれかの展覧会に来場されたお客様は、展覧会チケット半券等と引き換えに、上記の期間中、他の2館に2割引の料金でご入館いただけます。
Events
鑑賞講座
5月3日(土・祝)「中国絵画の松―描法変遷からみえるもの―」当研究所研究員 竹浪 遠
5月10日(土)「松に込めたおもい―江戸時代の絵画―」当研究所研究員 杉本 欣久
5月17日(土)「日本における松文様の全体像」当研究所研究員 川見 典久
いずれも午後1時30分より当研究所講演室(入館者は聴講無料)
3館連携「松・竹・梅」展スタンプラリー
大和文華館・泉屋博古館で連携展をめぐるスタンプラリーシートをお渡しします。「竹の美」(2/21-3/30)、「百花のさきがけ 梅の美術」(3/8-5/6)、「松―美と徳の造形―」(4/19-5/18)各展覧会会場のスタンプを全て集められた方は、シートを泉屋博古館・黒川古文化研究所いずれかの会場受付にお持ちください。引き換えにプレゼントセットをさし上げます。
※景品引き換え期限:5月18日〔日〕まで(各館の会期にご注意ください)
3館連携「松・竹・梅」展公開研究会
3月16日(日) 13時30分~ 大和文華館・講堂にて
※参加費無料(入館料が必要です) ※事前の申込は不要です
13:30~14:00 「歳寒三友図の成立をめぐって」黒川古文化研究所研究員 竹浪遠
14:00~14:30 「竹の聖性について―観音・浄土との関係から―」大和文華館学芸員 瀧朝子
14:40~15:10 「陶磁器にあらわされた梅―日本・中国・ヨーロッパ―」泉屋博古館学芸員 外山潔
15:15~15:45 座談会「松・竹・梅」展の楽しみ方
Access Information
黒川古文化研究所 クロカワコブンカケンキュウジョ
Kurokawa Institute of Ancient Cultures
- Address
-
〒662-0081
西宮市苦楽園三番町14-50 - Website
- http://www.kurokawa-institute.or.jp/
Created Date:2014.2.25