ID:15825

シビル・ハイネン:テキスタイル・アートの彼方へ

Venue

京都国立近代美術館

THE NATIONAL MUSEUM OF MODERN ART, KYOTO

Period

June 19 (Tue), 2007 ~ July 16 (Mon), 2007

Exhibition Outline

シビル・ハイネン:テキスタイル・アートの彼方へ シビル・ハイネン:テキスタイル・アートノカナタヘ

シビル・ハイネン(1961年オランダ生)は、1992年に京都で開催された第3回国際テキスタイル・コンペティション’92において優秀賞を受賞し、その斬新な造形と素材の使用とが大きな注目を集めました。また、1996年に当館が開催した展覧会「テキスタイルの冒険―現代オランダの4人のアーティスト」でも、金泊を塗布したゴム・シートの作品で私たちに新鮮な衝撃を与えてくれました。素材に通常の織布を用いない彼女の作品は、しかし確実にテキスタイル・アートの文脈上に位置しており、同時に、その作品はジャンル横断的な現代の造形として彫刻的な力強さに満ちています。 今回シビル・ハイネンは、京都国立近代美術館で全く新しい作品に挑戦します。1階ロビーから会場へと誘う白い人工芝の素材、床から天井へ流れるように連続するこのユニークな素材の使用により、会場全体が一つの立体作品へと変貌します。白い人工芝は空間を分節するために彫刻的に用いられ、同時に、その素材の平面性と表面の微妙なマチエールが、建築的なこのインスタレーションに強く絵画的な印象を与えます。作品が彫刻的かつ絵画的であるという両義性は彼女の作品に一貫する特徴であり、その作品の印象と解釈は鑑賞者の一人一人によって異なるものとなるでしょう。しかし会場を体験した多くの鑑賞者は、彼女がジャンルや素材の枠組みを曖昧にすることで私たちの日常的な認識のプロセスを揺さぶり、その曖昧で不安定な知覚の境界領域こそが、豊かな想像力の領域であることを伝えようとしていることに気付くことでしょう。 京都国立近代美術館は、既に確立され評価を得ているテキスタイル・アートの物語を繰り返すのではなく、既成の安定したジャンルや枠組みを無効にする、挑戦的で流動的な美術の実践を紹介しようとしています。2007年にシビル・ハイネンの新作を紹介することは、1970-80年代に大きく開花したテキスタイル・アートの可能性とその批評性とを、今日的な状況を踏まえた上で再検証する上で重要であると考えます。それは、「テキスタイル・アート」として語られる実践に対し、この述語が未だに有効なものであるのかという検証にもなり得るでしょう。

Organizer
京都国立近代美術館
Closing Days
毎週月曜日(月曜日が休日に当たる場合は、翌日が休館)
Admission (tax included)
一般420(210)円 大学生130(70)円 高校生70(40)円 中学生以下無料 ( )内は20名以上の団体料金
Exhibition Website
http://www.momak.go.jp/
Exhibition Inquiries
代表:Tel.075-761-4111 テレホンサービス:Tel.075-761-9900

Access Information

京都国立近代美術館 キョウトコクリツキンダイビジュツカン

THE NATIONAL MUSEUM OF MODERN ART, KYOTO

Address
〒606-8344
京都市左京区岡崎円勝寺町
Website
https://www.momak.go.jp/
General Inquiries
京都国立近代美術館:Tel.075-761-4111
テレホンサービス(展覧会のご案内):Tel.075-761-9900
Updated Date:2010.11.9
Created Date:1999.3.31