牛腸茂雄 写真展 Shigeo Gocho Exhibition

牛腸茂雄 写真展 ゴチョウシゲオシャシンテン 生きているということの証

Shigeo Gocho Exhibition

昨年に没後40年を迎え、『牛腸茂雄全集』(赤々舎)が刊行されるなど注目を集める写真家、牛腸茂雄(1946-83)の回顧展を開催します。
新潟県に生まれた牛腸は、3歳で胸椎カリエスを患い、長期間にわたって下半身をギブスで固定される生活を余儀なくされたことから成長が止まり、生涯、ハンディキャップとともに生きていくこととなりました。10代からデザインの分野で非凡な才能を見せた牛腸にとって大きな転機となったのが、高校卒業後にデザイナーを志して進学した桑沢デザイン研究所で大辻清司と出会ったことでした。大辻は戦後写真史に重要な足跡を残した写真家であるとともに、新しい世代の礎となる才能を数多く見出した優れた教育者でもありました。「もしこれを育てないで放って置くならば、教師の犯罪である、とさえ思った」と、牛腸の才能を見出した大辻の説得により、牛腸は写真の道を歩むことになったのです。
レンズを通して見つめる新たな世界を獲得した牛腸は、憑りつかれるように創造の世界に没頭しました。そして、限られた命であることを自覚し、「“生きている”ということの証」として写真集の制作に力を注ぎました。何気ない日常で出会った子どもたち、家族、友人と、清逸で淡々とした作品の奥からこちらを見つめる被写体のまなざしは、写真を通して「自分と世界との関わり」を探求しつづけた牛腸のポートレイトでもあります。そこには、日々のなかで「見ること」と「見られること」、「自己」と「他者」との関係性を意識してきた牛腸の深い洞察と、常にはじめて世界を見たような初々しさとが共存しています。
本展では、生前に制作された写真集『日々』1971年、『SELF AND OTHERS』1977年、『扉をあけると』1980年、『見慣れた街の中で』1981年に収録された作品と、未完に終わった『幼年の「時間(とき)」』の作品、関連資料など約200点を展示し、牛腸のまなざしに迫ります。

主催者

いわき市立美術館

協賛・協力等

出品協力:東京都写真美術館/企画協力:株式会社コンタクト/協力:三浦和人、赤々舎

休催日

月曜日(11月4日は開館し、翌日休館)

開催時間

9:30 ～ 17:00

(入館は16:30まで)

観覧料

一般 800(640)円/高・高専・大生 300(240)円/小・中生 200(160)円

※( )内は、20名以上の団体割引料金 ※いわき市在住の65歳以上の方、身障者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方は無料 ※いわき市内の小・中・高・専修(高等課程)・高専生は、土・日に限り無料

展覧会ホームページ

https://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1727928973849/index.html

1. 対談「腸茂雄のまなざし」
三浦和人(写真家)、佐藤正子(本展企画者)
桑沢デザイン研究所入学以来の友人として牛腸茂雄の没後、その作品管理に携わり、本展のモノクロ作品のプリントも手がけた写真家の三浦和人さんと、本展企画者・佐藤正子さんとの対談。
日時:11月2日(土)11:00－12:00(10:30開場)
会場:3階セミナー室
定員・参加費:40名(申込不要、当日先着順)・無料

2. 実技講座「写真家 三浦和人さんと一緒にいわきの街を撮ろう!」
写真家 三浦和人さんと街歩きをして、カメラを通して見慣れたいわきの街の新たな一面や、普段見落としている景色をスナップ写真に収めます。その後、美術館に戻り講評を受けます。
講師:三浦和人(写真家)
日時:11月17日(日)10:00－17:00 会場:3階セミナー室他
対象・定員・参加費:高校生以上・10名(要事前申込)・無料
持ち物:デジタルカメラ(スマートフォンは不可)
申込方法:10月26日(土)13:00より電話で申込受付(先着順)。

3. 美術講座「展覧会のみどころ」
講師:当館学芸員
日時:11月10日(日)14:00-14:45(13:30開場) 会場:3階セミナー室
定員・参加費:40名(申込不要、当日先着順)・無料

いわき市立美術館 イワキシリツビジュツカン

Iwaki city Art Museum

会場住所

〒970-8026
いわき市平字堂根町4-4

ホームページ

https://www.city.iwaki.lg.jp/www/genre/1444022369394/index.html