ID:7360
バッカス万歳
会場
伊丹市立美術館
ITAMI CITY MUSEUM OF ART
会期
2004年9月11日(土) ~ 2004年10月24日(日)
展覧会概要
バッカス万歳 バッカスバンザイ
この展覧会は、美術館が位置する<みやのまえ文化の郷>の中心となる建造物-重要文化財旧岡田家住宅・酒蔵-の築330年を記念して展開される多彩な催しのひとつです。
旧岡田家酒蔵一帯が酒造業の地として大いに繁栄を謳歌した江戸時代とほぼ同時代、ロンドンもまた隆盛を誇っており、当館はその諸相を克明に描写した版画を多数所蔵しています。
これらの版画は、人物の特徴や雰囲気を誇張して歪曲し、それらの人物を通じて政治や社会をおもしろく、しかもわかりやすく伝えるために編み出された諷刺画(カリカチュア)と呼ばれるものです。諷刺画には無論文字も印刷されていました。しかし、それとともに文字の読めない階層にも当時の政治や社会の世相、風俗などを批判し揶揄することができるようなヴィジュアルな画像をもったメディアとしての機能も有していました。それらの諷刺画を販売する版画店の陳列窓には、いつもたくさんの人たちが群がり賑わっていました。
対象を歪曲して揶揄する絵である諷刺画(カリカチュア)は、17世紀のイタリアで始まったとされていますが、イギリスでは18世紀以来、政治的諷刺としてまた私的な戯画として非常な興隆をみました。なかでもウィリアム・ホガース(1697-1764)は、18世紀前半から半ばにかけて、諷刺画の黄金時代を築いた国民的画家であり、彼の生きた時代の大衆生活や階級を鋭く諷刺した銅版画を多数制作しました。また、ジェイムズ・ギルレイ(1756-1815)は18世紀末から19世紀初頭にかけて、時の君主や政治家、世相などをグロテスクともいえるほどに誇張した辛辣な画風で一世を風靡しました。さらに、19世紀初頭から末にかけて、初めは諷刺画家として、後にディケンズの小説などに挿絵を描く挿絵画家の分野でも活躍したジョージ・クルックシャンク(1792-1878)は、長い年月、酒におぼれた生活を送っていたこともあり、平和な一家が酒によって悲惨な結末を迎える連作版画を描いて社会に警鐘を鳴らしました。
本展は、大英帝国の隆盛と市民生活の混乱とが同居する大ロンドンで、酒の魅力が引き起こす人間模様とその悲喜劇を生々しく伝える諷刺版画60余点を展覧いたします。
- 主催者
- 伊丹市立美術館、(財)伊丹市文化振興財団
- 休催日
- 月曜日(但し祝日開館、翌日休館)
- 観覧料
- 一般300(240)円 大・高生200(160)円 中・小生100(80)円 ※( )内は20名以上の団体割引料金
- 展覧会ホームページ
- http://www.artmuseum-itami.jp
- 展覧会問合わせ先
- Tel.072-772-7447
会場情報
伊丹市立美術館 シリツイタミミュージアム
ITAMI CITY MUSEUM OF ART
- 会場住所
-
〒664-0895
伊丹市宮ノ前2-5-20 - ホームページ
- https://itami-im.jp/
登録日:1999年3月31日