ID:69865

名古屋画廊創業80年記念

笠井 誠一 展 SEIICHI KASAI

会場

名古屋画廊

NAGOYA GALLERY, co.,ltd

会期

2月4日[金]-15日[火]'22

展覧会概要

名古屋画廊創業80年記念 笠井 誠一 展 カサイ セイイチ テン

SEIICHI KASAI

■一塵も許さぬ絵画平面の構築―笠井誠一の画業 馬場駿吉
近代の異色静物画家といえばジョルジョ・モランディの作品が念頭に浮かぶ。彼の遺した言葉には、自分がひたすら望むのは平穏と静謐だという意をこめたフレーズが知られていて、アトリエにある実際の壜や壷たちは、埃まみれで、光を失い、くすんだ状態だったというエピソードが伝えられている。笠井誠一さんのアトリエの内部が透見される近作を拝見する限り、制作の現場周辺はともかくとして一塵も許さないたたずまいの空間に違いなかろう。作品もそれを反映して極めて明晰。モランディとは全く世界を異にすることが明らかだ。壁の垂直面とテーブルや床の水平面を彩る均等、平穏な色面の配合は描かれた卓上の楽器にも音を出すことを忘れさせて静謐そのものだ。廃棄物の遺存を許さず、一瞬の雑音にもわずらわされることのない環境を社会の日常に見い出すことが困難な現代。そして世界的な規模で拡がる疫病パンデミックに脅かされる現在の様相の中にあっては、笠井さんの絵画世界がいかに貴重な存在であるかが実感させられる。静物画の美術史をたどると、<メメント・モリ=死を忘れるな>という宗教的、教訓的な想念をこめた言葉が呼びもどされるのだが、笠井さんの作品は<生きることを忘れるな>という逆の警句を含んだものとして受け取ることが出来るのではないか。(美術評論家)

休催日
日・祝休廊
開催時間
11:00a.m. ~ 6:00p.m.
(土曜日 12:00p.m.-5:00p.m.)
展覧会ホームページ
https://www.nagoyagallery.co.jp/publics/index/23/detail=1/b_id=88/r_id=910#block88-910

会場情報

名古屋画廊 カブシキガイシャナゴヤガロウ

NAGOYA GALLERY, co.,ltd

会場住所
〒460-0008
名古屋市中区栄1-12-10
ホームページ
https://www.nagoyagallery.co.jp/
更新日:2024年10月22日
登録日:2022年3月9日