ID:51730

久野 真 展 SHIN KUNO

-画面空間の統合-

会場

名古屋画廊

NAGOYA GALLERY, co.,ltd

会期

10月28日(金)-11月11日(金)

展覧会概要

久野 真 展 クノシンテン -画面空間の統合-

SHIN KUNO

大きな画家・久野真
久野真さんの作品は時代によって、画面から受ける印象の幅は大きい。その中で私の心に穏やかさを与え、芸術家としての存在の大きさを感じさせるのは、1994年の大作、題名《星》である。
1988年までの20年あまりは、鈍く磨かれたステンレス板を直線に切った、深い溝のある厳しい画面で、不安を伴った緊張感のある表現が続いた。そのことについて、彼は曲線には見る人に情緒や感情を刺激する軟弱さがある、として拒否をしている。久野さんの作品のイメージは大よそ、この傾向の時代によって作られたように思う。
私の母校でもある、市工芸の教員時代の彼は板の上に石膏を流し、古布の模様を押し広げたり、鉄板をハサミで切り、バーナーで炙ったりしている。その後も鉛板にしわを作り、直線との対比を強調してもいる。材質感や制作の即興性も感じさせて、見る人の感情を刺激する作品という印象が強い。
最初にあげた《星》作品には、もはや鋭さや厳しさは影を潜め、画面空間を統合する意志がうかがえる。軽快な直線に再び曲線が加わりその間に大らかな空間を抱き、ゆったりした絵画空間を創出していて、久野真さんの全体像がそこには立ち現れている。
庄司達(造形作家)

会場情報

名古屋画廊 カブシキガイシャナゴヤガロウ

NAGOYA GALLERY, co.,ltd

会場住所
〒460-0008
名古屋市中区栄1-12-10
ホームページ
https://www.nagoyagallery.co.jp/
更新日:2016年10月11日
登録日:2016年10月11日