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備讃のものづくり

―漆芸と木工芸―

会場

倉敷市立美術館

KURASHIKI CITY ART MUSEUM

会期

2015年12月5日(土)~2016年1月24日(日)

展覧会概要

備讃のものづくり ビサンノモノヅクリ ―漆芸と木工芸―

香川県の漆芸は、江戸時代末期に玉楮象谷がその礎を築いて以来、象谷の三男・雪堂や孫の蔵谷らに受け継がれ、その後次第に広がりを見せていきました。その販路は、近代に入って中国地方や関西に及び、なかでも石井磬堂が職長格として携わった讃岐彫の店舗「百花園」の販売はよく知られており、倉敷周辺にも多く伝わっています。
また、象谷は門人たちとともに岡山の地を訪れ、彫物や漆芸の技法を伝え、総社の池上蔵六らに影響を与えました。蔵六は同郷の亀山北峰たちにその技を伝え、その流れは大野昭和斎にまでつながっています。
さらに、現在の高松市で生まれた磯井如真は、蒟醤(きんま)の点彫りを考案するなど讃岐の漆芸に新風を吹き込み、岡山の難波仁斎や児島の山本象石は、如真と交友あるいは師事することにより感化を受けながら研鑽に励み、山口松太は仁斎から漆芸の技術を学んでいます。
一方、近代岡山の木竹工の先駆者である逸見東洋は、明治維新後にその技術を活かし茶合や丸盆などをつくりました。特に煎茶の流行に伴い、茶道具はもてはやされ、その技術は東洋に師事した神崎軒水、軒水に学んだ平賀石泉へと伝えられていきました。刳物技術において第一人者である林鶴山は、石泉や北峰が彫物を施した盆などの木地を手掛けています。
本展は、讃岐の地で玉楮象谷らによって生み出された技術が岡山にもたらされ、その遺作が倉敷周辺に数多く残ることを確認するとともに、名工たちによって今日まで伝えられてきた“ものづくり”の伝統を、初公開作品を多数含む漆芸と木工芸の作品によって紹介するものです。

主催者
倉敷市教育委員会
休催日
月曜日(1月11日を除く)、12月28日~1月4日、1月12日
開催時間
9時 ~ 17時15分
入場は16時45分まで
観覧料
◆一般: 210円(500円)
◆高大生: 100円(70円)
◆小中生: 50円(30円)
( )内は20名以上の団体料金
倉敷市内の小中学生はいきいきパスポートまたは生徒手帳の提示で無料
高梁川流域パスポートを展示した小学生は無料 (平日を除く)
65歳以上の方、心身障がい者とその介護者1名は無料

イベント情報

記念講演会 「讃岐漆芸―玉楮象谷を中心に―」
日程/ 12月19日(土) 14時~15時30分
場所/ 美術館3階講堂
講師/ 住谷晃一郎氏 (元高松市美術館美術課長)
参加料/ 聴講無料
定員/ 200名

担当学芸員によるギャラリートーク
日程/ 12月13日(日) 14時~ 2016年1月17日(日) 14時~

会場情報

倉敷市立美術館 クラシキシリツビジュツカン

KURASHIKI CITY ART MUSEUM

会場住所
〒710-0046
倉敷市中央2-6-1
ホームページ
https://www.city.kurashiki.okayama.jp/dd.aspx?menuid=11459
更新日:2015年12月15日
登録日:2015年12月15日