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万作と草田男

「楽天」の絆

会場

町立久万美術館

KUMA Museum of Art

会期

2008年10月4日(土) ~ 2008年11月24日(月)

展覧会概要

万作と草田男 マンサクトクサタオ 「楽天」の絆

久万高原町・久万美術館は、根幹である井部コレクションの蒐集者・故井部栄治氏の精神に通じる、新たな価値観の創造を目指した作家や活動を取り上げる企画展を開催してきました。今回の企画展は開館20周年を記念し、大正・昭和初期の青春期、深い関係で結ばれた「楽天」仲間のうち、とりわけ親密であった伊丹万作と中村草田男に焦点を当てます。
伊予・松山の文化的な土壌を遡ると、親密な関係で結ばれ、お互いに切磋琢磨する仲間たちの存在に突き当たります。その一つが大正時代、旧制松山中学(現・愛媛県立松山東高等学校)の回覧雑誌「楽天」に集まった伊丹万作、中村草田男、伊藤大輔、重松鶴之助ら。そのなかでも、深い友好を交わした万作と草田男は映画監督、あるいは俳人として、それぞれの道を探究し才能を開花させました。今回の企画展は「万作と草田男」にスポットを当て、多くの傑物を輩出した松山の知的土壌を探ろうという試みです。
久万美術館では、画家・重松鶴之助の生誕100年(2003年)を機に、「楽天」グループにスポットを当てた企画展「よもだの創造力」を開催しました。さらに、第二弾として江戸期の水墨画家・吉田藏澤と江戸期から明治期の書家・三輪田米山を取り上げた企画展「伊予の豪傑」(2006年)を開催。今回の「万作と草田男―『楽天』の絆」は、その第三弾です。
伊予人気質を象徴する「よもだ」という方言があります。それは不真面目、無責任といったマイナスの側面で捉えられます。しかし、外観は、とぼけたように見えても、うちに強いものを抱いている外柔内剛のタイプ。しかも、根底には既成の価値観からはみ出して、新しさを求める創造的な生き方がひそんでいます。いつの時代にも、何かが壊され、新しいものが生み出されていきます。「楽天」の仲間たちが、創造性を発揮したのは、実は「よもだの精神」、すなわち、反骨・逸脱が根底にあったからに他なりません。
草田男がいかに万作に心酔していたか、一方、万作が草田男にどのような視線を送っていたのか。「性質の符号を取り払った絶対値だけを信じる」という「楽天」仲間の友情、集団としての青春。それは、現代社会の人間関係、とくに若い世代にみられる希薄な関係に対して、意味深いメッセージになり得るのではないでしょうか。

主催者
町立久万美術館、久万高原町、愛媛新聞社
休催日
月曜日(10月13日[祝]、11月3日[祝]、11月24日[祝]は開館)、10月14日[火]、11月4日[火]
観覧料
当日 一般700(500)円/高大生500(400)円 /小中生400(300)円
( )内は20名以上の団体、高齢・身障・療育各手帳の提示 の際等の割引料金
展覧会ホームページ
http://www.kumakogen.jp/culture/muse/
展覧会問合わせ先
0892-21-2881

会場情報

町立久万美術館 チョウリツクマビジュツカン

KUMA Museum of Art

会場住所
〒791-1205
上浮穴郡久万高原町菅生2番耕地1442-7
ホームページ
http://www.kumakogen.jp/culture/muse/
更新日:2010年11月9日
登録日:1999年3月31日