ID:22437
素描(デッサン)する人々
-或る日の洋畫研究所
会場
目黒区美術館
MEGURO MUSEUM OF ART TOKYO
会期
2006年10月14日(土) ~ 2006年12月3日(日)
展覧会概要
素描(デッサン)する人々 デッサンスルヒトビト -或る日の洋畫研究所
1903(明治36)年、前年に京都高等工芸学校の教授として京都に赴任した浅井忠は聖護院洋画研究所(1906年、関西美術院に発展)を設立。それまで桜井忠剛、牧野克次、伊藤快彦ら家塾で洋画を教えていた人々も合流し、日本画家としての教育を受けた者も含み、多くの青年(中には中年にさしかかったものもいましたが)が互いに切磋琢磨する環境が生まれました。
浅井の他界により、わずか5年間に終わったとはいえ、浅井の指導によるこの時期の洋画教育の成果とその影響には、関西圏にとどまらず幅広いものがありました。ここで学んだ主な画家としては、安井曾太郎、梅原龍三郎がまずあげられますが、そのほかにも当館で多くの作品・資料を所蔵する澤部清五郎など興味深い作家が少なくありません。 聖護院研究所・関西美術院での指導は、石膏デッサンなどにはじまり、着衣・裸体の人物素描、風景はじめ研究所外にでかけてのスケッチ、鉛筆や水彩による詳細な風景画等であったと思われます。現在、何人かの作家によるこの時期の人体素描がまとまって残されていますが、これらにしばしば登場する代表的なモデルの風貌から、たとえ年記等のデータがなくともこの時期の制作物であることが容易に判断できる場合が少なくありません。
本展では、浅井指導下の聖護院研究所・関西美術院で描かれた、いわゆる「木炭紙」に描かれた着衣・裸体の人物素描を、複数の作家について集成。年記やポーズから同時に描かれたことが明白なものものも多く、同一の対象を、基本的に同一の方法で扱いながらも結果的に生まれてくる多様性・差異を手がかりに、我が国の近代における美術教育の実態、教育と個人の資質の関係などの読解を試みます。これらに、若干の風景デッサンや水彩作品などをまじえ、浅井という求心力のある触媒によって加速された20世紀初頭の京都の状況を観察しつつ、登場する作家たちのたどったさまざまなその後の歩みを遠望しながら、関西美術院創設百周年を機に、日本の「近代」「近代美術」について思いを巡らす展覧会をごらんいただきます。
主な出品作家
安井曾太郎、黒田重太郎、澤部清五郎、田中志奈子
千種掃雲、都鳥英喜、足立源一郎、西川純
出品作品数:約150点
- 主催者
- 目黒区美術館
- 休催日
- 月曜日
- 観覧料
- 一般500(400)円 大高生・65歳以上300(250)円
中小生無料 障害者の方は半額
( )内は20名以上の団体割引料金 - 展覧会ホームページ
- http://www.mmat.jp/
- 展覧会問合わせ先
- 03-3714-1201
会場情報
目黒区美術館 メグロクビジュツカン
MEGURO MUSEUM OF ART TOKYO
- 会場住所
-
〒153-0063
目黒区目黒2-4-36 目黒区民センター内 - ホームページ
- https://www.mmat.jp/
登録日:1999年3月31日