本文へ

当サイトはお客様の利便性の向上等のため、Cookieを使用しております。
詳しくはプライバシーポリシーをご確認ください。

5-15
「エレファントマン」シリーズ

「記憶をたどる旅」シリーズの一環として制作されたドローイングである。田名網の作品にはゾウの化身のような生き物が時折現れる。田名網は元来、無類のゾウ好きであり、子ども時代から南洋一郎による海洋冒険小説のゾウが登場する場面を特に好んでいた。1977年にはマンモスの赤ちゃんがシベリアの永久凍土から発掘されたというニュースに驚き、さらにゾウへの関心を深めていく。またゾウはその巨大さからほかの動物と比べて時間感覚が遅いため、田名網にとっては時間という概念を象徴する存在でもあるという。こうしていくつかの記憶が絡み合うことで、田名網独自のゾウのイメージが誕生した。このゾウは時に耳や鼻が誇張された生き物に変化しており、これらは田名網が自身の中に流れる記憶を捉える過程で登場してきた姿であろう。