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これらの立体作品は田名網が見た幻覚と幼い頃に原色の積木で遊んだ記憶が結びついて制作された。積木が喚起する素朴な印象に反して、これらのシリーズでは女性のヌード、ゾウ、犬の骨、ボクシングリングの縁につけられた擬宝珠[ぎぼし]や男性器を思わせる突起といった性的なイメージが登場する。さらに赤や紫、黒といった色彩とまるでフィギュアのような仕上がりからはフェティッシュな感性もうかがえる。これらは過去の記憶の断片を再現した箱庭のようでもあり、自分自身の無意識を垣間見たような謎めいた魅力が漂っている。大型家具の制作は2004年に開催された「昇天する家具+奇想する都市」展のために大阪のクリエイティブユニットgrafとのコラボレーションによって実現された。