<Back

No. 27  ウスターシュ・ル・シュウール《ユピテルの雷を盗むアモル》

この作品は、17世紀パリの個人邸宅、オテル・ランベールの「アモルの間」を装飾した一連の絵画の一つで、暖炉の上に設置されていました。作者のル・シュウールは、この設置場所を考慮し、アモルが最高神ユピテルから雷を盗むという火に関連する場面を選んだのでしょう。ユピテルの武器である雷は、絵画では伝統的に、尖った両端がいくつかに枝分かれした道具として描かれました。ここでは、アモルは右手に雷を握り、左手には自分の武器である弓を持って、飛び去ろうとしています。フランスやイタリアの上流階級の邸宅では、壁や天井の装飾画のモチーフにしばしばアモルが用いられました。