細長く引き伸ばされた人物像で知られるジャコメッティ。人間の存在を突きつめたその特異な造形は、20世紀の彫刻に新たな地平を切り開きました。本展は、日本で開催されるジャコメッティ展としては11年ぶりの個展であり、初期から晩年まで、彫刻約50点、絵画約5点、素描と版画約80点が出品される大回顧展です。
展覧会ホームページ:http://www.tbs.co.jp/giacometti2017/
展覧会概要
スイスに生まれ、フランスで活躍したアルベルト・ジャコメッティ(1901-1966年)は、20世紀のヨーロッパにおける最も重要な彫刻家のひとりです。アフリカやオセアニアの彫刻やキュビスムへの傾倒、そして、1920年代の終わりから参加したシュルレアリスム運動など、同時代の先鋭的な動きを存分に吸収したジャコメッティは、1935年から、モデルに向き合いつつ独自のスタイルの創出へと歩み出しました。それは、身体を線のように長く引き伸ばした、まったく新たな彫刻でした。ジャコメッティは、見ることと造ることのあいだの葛藤の先に、虚飾を取り去った人間の本質に迫ろうとしたのです。その特異な造形が実存主義や現象学の文脈でも評価されたことは、彼の彫刻が同時代の精神に呼応した証だといえましょう。またジャコメッティは、日本人哲学者である矢内原伊作(1918-1989年)と交流したことでも知られ、矢内原をモデルとした制作は、ジャコメッティに多大な刺激を与えました。
本展覧会には、ジャコメッティの貴重な作品を所蔵する国内コレクションのご協力も仰ぎつつ、初期から晩年まで、彫刻、油彩、素描、版画など、選りすぐりの作品、132点が出品される予定です。
会期 | 2017年6月14日(水)~9月4日(月) 毎週火曜日休館 |
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開館時間 | 10:00-18:00 ※毎週金曜日、土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで |
会場 | 国立新美術館 企画展示室1E 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 |
主催 | 国立新美術館、マーグ財団美術館、TBS、朝日新聞社 |
共催 | 東急エージェンシー、ソニー・ミュージックエンタテインメント |
後援 | スイス大使館、フランス大使館、BS-TBS、J-WAVE、TBSラジオ |
協賛 | 日本写真印刷 |
協力 | 日本航空、あいおいニッセイ同和損保 |
本展は,政府による美術品補償制度の適用を受けています。
観覧料(税込) |
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お問合せ | 03-5777-8600(ハローダイヤル) |
展覧会の見どころ
1 20世紀を代表する彫刻家、ジャコメッティの大回顧展
2 ジャコメッティの代表的な彫刻が集結
ジャコメッティの彫刻には、豊かなヴァリエーションがあります。キュビスムやシュルレアリスムなどに影響を受けた第二次世界大戦前の試み、モデルを前にして制作された彫像、わずか数センチの小さな人物像や複数の人物を組み合わせた群像、そして、細長い人物像まで、あらゆる時代の代表作が一堂に会します。
3 ジャコメッティの不断の探究を伝える素描や版画、写真
ジャコメッティは、モデルを前に、あるいはモデルの記憶をもとにして人物を描き、彫刻を制作しました。本展に出品される、アトリエの内部やモデルとの制作の様子を表す素描や版画、記録写真を通じて、ジャコメッティの創作の秘密に迫ります。
4 実現しなかったチェース・マンハッタン銀行のための大作3点
チェース・マンハッタン銀行からの依頼を受けて、ニューヨークの広場のために制作された3点の大作、《歩く男Ⅰ》《女性立像Ⅱ》《大きな頭部》がそろって出品されます。このプロジェクトは実現しませんでしたが、最晩年のジャコメッティの挑戦を、壮大なスケールによって体感いただきます。
5 マーグ財団美術館のジャコメッティ・コレクション
パリとチューリヒのジャコメッティ財団と並び、世界3大ジャコメッティ・コレクションのひとつとして名高いマーグ財団美術館。2010年には、「ジャコメッティとマーグ」と題した大規模な展覧会も開催されています。本展覧会は、マーグ財団美術館の全面的な協力を得て実現されるものです。
関連イベント
講演会
- 「空間の理論」
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講師 オリヴィエ・キャプラン(マーグ財団美術館 館長) 日時 6月14日(水)14:00-15:30(13:30開場) 会場 国立新美術館3階講堂 定員 260名(先着順、申込不要) 聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券)が必要です。 - 「ジャコメッティの彫刻とそのモデルとしての矢内原伊作」
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講師 武田昭彦(美術評論家) 日時 7月2日(日)14:00-15:30(13:30開場) 会場 国立新美術館3階講堂 定員 260名(先着順、申込不要) 聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券)が必要です。 - 「アルベルト・ジャコメッティと詩人たち」
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講師 桑田光平(東京大学 准教授) 日時 7月21日(金) 18:00-19:00(17:30開場) 会場 国立新美術館3階講堂 定員 260名(先着順、申込不要) 聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券)が必要です。 - 「ジャコメッティ彫刻の時空間」
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講師 横山由季子(国立新美術館アソシエイトフェロー、本展企画者) 日時 8月18日(金)18:00-19:00(17:30開場) 会場 国立新美術館3階講堂 定員 260名(先着順、申込不要) 聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券)が必要です。
対談
- 「ジャコメッティを眺めてあれこれ考えてみる」
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講師 袴田京太朗(彫刻家)×冨井大裕(美術家) 日時 7月15日(土)17:00-19:00(16:30開場) 会場 国立新美術館 3階研修室AB 定員 70名 当日、整理券を配布します。(定員に達し次第、配布終了)
整理券は14:00から開場10分前まで1階中央インフォメーションで配布します。(お1人様1枚)
聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券)が必要です。
アートトークイベント
- 「ジャコメッティ展の楽しみ方」
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講師 山田五郎(編集者・評論家) 日時 7月26日(水)14:00-15:00(13:30開場) 会場 国立新美術館3階講堂 定員 260名 当日、整理券を配布します。(定員に達し次第、配布終了)
整理券は10:00から開場10分前まで1階中央インフォメーションで配布します。(お1人様1枚)
聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券)が必要です。
鑑賞ガイドブック
『ジャコメッティ展 ジュニアガイド』(対象:中学1年生以上)
ジャコメッティや作品の特徴について、わかりやすく紹介するガイドブックです。
«大きな女性立像Ⅱ»のペーパークラフトが作れるデザインになっています。
※「ジャコメッティ展」会場入口で、児童・生徒、ならびに学生の方にお配りしています。