「オルセー美術館展」 広報事務局(デイシス) 担当:高橋・青木
TEL:03-6863-3409 E-mail:orsay2014@artplus-inc.com
〒106-0032 港区六本木4-8-7 六本木三河台ビル7F
展覧会ホームページ:http://orsay2014.jp/
展覧会概要
「印象派の殿堂」として知られるパリ・オルセー美術館から、珠玉の絵画84点が来日します。テーマは「印象派の誕生」。1874年の第1回印象派展開催から140年 ― パリの美術界を騒然とさせた「新しい絵画」の誕生の衝撃が、選りすぐりの名画によって東京・六本木に鮮やかによみがえります。
マネに始まり、モネ、ルノワール、ドガ、セザンヌら印象派の立役者となった画家たちの作品はもちろんのこと、同時代のコローやミレー、クールベのレアリスムから、カバネル、ブグローらのアカデミスム絵画まで、まさに時代の、そしてオルセー美術館の「顔」ともいうべき名画が集結する本展に、どうぞご期待ください。
会期 | 2014年7月9日(水)~10月20日(月) 毎週火曜日休館 ただし、8月12日(火)、9月23日(火・祝)、10月14日(火)は開館、9月24日(水)は休館 |
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開館時間 | 10:00~18:00 金曜日は20:00まで 8月16日(土)以降の毎週土曜日および10月12日(日)以降は毎日20:00まで 入場は閉館の30分前まで |
会場 | 国立新美術館 企画展示室2E 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 |
主催 | 国立新美術館、オルセー美術館、読売新聞社、日本テレビ放送網 |
後援 | 外務省、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、J-WAVE |
特別協賛 | キヤノン、第一生命 |
協賛 | エールフランス航空、花王、清水建設、損保ジャパン日本興亜、大日本印刷、大和ハウス工業、トヨタ自動車、みずほ銀行、三井物産 |
協力 | サントリー食品インターナショナル、ピー・シー・エー |
本展は,政府による美術品補償制度の適用を受けています。
観覧料(税込) |
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お問合せ | ハローダイヤル 03-5777-8600 |
展覧会の構成
- 1章 「マネ:新しい絵画」
- 19世紀フランスの美術界では、画家たちの発表の場は官営の展覧会「サロン」に限られており、マネによる絵画の刷新もサロンへの挑戦から始まりました。1863年のサロンの「落選者展」に出品された《草上の昼食》、そして1865年にサロン入選を果たした《オランピア》が、パリの画壇に並々ならぬ衝撃を与えたのです。これらの作品では、市民や娼婦など同時代の人々の風俗が堂々と描かれていることや、明るい彩色で平面的に仕上げられた裸体の斬新な描写が、非難の的になりました。しかし、マネの「新しい絵画」は、のちに印象派を主導するモネやルノワールら若き画家たちの指針となり、またアカデミスムやレアリスムなど立場を異にした画家たちにも少なからぬ影響を及ぼしました。
- 2章 「レアリスムの諸相」
- 1848年、二月革命によって第二共和政が成立したフランスでは、芸術においても社会の現実を直視するレアリスムの動きが現れます。その旗手となったクールベが1850年に発表した《オルナンの埋葬》(オルセー美術館蔵)は、激しい物議を醸しました。無名の村人の葬儀の様子が、まるで歴史画のような大画面に克明に描かれていたからです。一方、レアリスムのもう1人の重要人物であるミレーは、社会や美術界への批判精神に根ざしたクールベの辛らつな写実性とは趣きを異にし、農村の厳しい労働生活に共感を寄せながら、貧しい農民たちを力強くも美しく描きだしました。また、ミレーが定住したパリ南方の小村バルビゾンには、のちにバルビソン派と呼ばれる画家たちが集い、田園風景をみずみずしく描写しました。レアリスムの主題の現代性や戸外の風景描写は、印象派の登場に大きな役割を果たしました。
- 3章 「歴史画」
- ルネサンス以来、聖書・神話・古代史などを主題とする歴史画は、最も高貴なジャンルに位置づけられ、19世紀フランスでも依然としてサロンに君臨していました。しかし、体制派のアカデミスムの歴史画にも次第に変化が現れます。従来、歴史画は普遍的意義を有する過去の事象を描くものでしたが、19世紀には同時代の出来事や文学などに主題の幅が広がっていきました。また、聖書や神話に取材しつつも、ほとんど知られていない場面やささいなエピソードを取り上げたり、古代主題であっても、人物の服装や場面設定は現代の風俗で表すなど、歴史風俗画ともいうべき折衷的な画風が台頭したのも、この時代の歴史画の大きな特徴です。アカデミスムも決して一枚岩ではなく、同時代のさまざまな芸術動向と互いに呼応しながら、新たな試みが展開されていました。
- 4章 「裸体」
- 理想化された裸体表現は歴史画に不可欠な要素でしたが、19世紀半ば頃から、裸婦のみをクローズアップした作品がかつてなく描かれるようになります。サロンでは、1863年のカバネルの《ヴィーナスの誕生》をはじめ、裸婦を前面に押しだした歴史画が好評を博しました。これらアカデミスムの裸婦は、甘美に理想化され、蠱惑的な姿態をとっています。これに対してクールベは、動物的とすらいえる生々しい裸婦を描き、古典的な美の規範に挑みました。さらにマネは、《草上の昼食》と《オランピア》に現実の裸の女性を持ち込むことによって絵画の刷新を図り、ルノワール、セザンヌらも裸婦を通して独自の技法や構想を模索していきます。正統な歴史画のモティーフでありながら、現実の女性とも結びつく裸婦は、伝統と革新の狭間で葛藤する画家たちが、新たな創意や表現を試みるのに格好の媒体となったのでしょう。
- 5章 「印象派の風景」 田園にて/水辺にて
- 光の効果に眼を向けた印象派の画家たちにとって、何よりも重要な主題となったのが戸外の風景でした。田舎の家並みや畑、光を反射する雪景色、緑豊かな葉を茂らせる木々、刻々と表情を変える空、ときに眩く輝き、ときに静けさを湛える水面―― 現在の私たちの眼には魅力的に映るこれらの風景画も、理想美を追求し入念に仕上げられた印象派以前の絵画とはあまりにかけ離れていたために、発表当時は散々に酷評されました。しかし、彼らは生涯をかけて自分たちの表現を追求し、やがて人々の共感を得て、世界に新しいものの見方をもたらすことになります。田園と水辺の2つのセクションで構成される本章の展示は、1世紀以上前の人々を驚かせた作品の数々に、もう一度新鮮な眼で向き合う機会となるでしょう。ル・アーヴルで出会い師弟の絆で結ばれたブーダンとモネ、画架を並べて制作に励んだピサロとセザンヌの作品が一堂に会するのも見どころです。
- 6章 「静物」
- 生命なき事物を描く静物画は、絵画ジャンルのヒエラルキーの最下位に据えられ、19世紀を迎えても状況は変わりませんでした。しかし1840年代末頃から、主題が親しみやすく、大きさや価格も手頃な静物画は中産階級の市民に人気を博し、また現実に目を向けるレアリスムの気運も高まるなかで、サロンに静物画の出品が増え始めます。そこで急速に再評価されたのが、前世紀の画家シャルダンでした。対象の本質に肉薄する真の意味での写実性をシャルダンの静物画から汲みとった画家たちは、教訓や道徳的寓意をこめることなく、物そのものを描くことに関心を寄せました。また、事物を自在に動かし、構図の可能性をさまざまに試すことができる静物画は、造形的実験に適した題材でもありました。「りんご一つでパリを驚かせたい」と述べたセザンヌは、静物画を通じて独自の絵画空間の描出を追求していきます。
- 7章 「肖像」
- 19世紀後半、肖像画のモデルは王侯貴族からブルジョワ階級へと移行していきました。毎年2千点から3千点にも及ぶサロン出品作のおよそ4 分の1を肖像画が占め、モデルを同定し批評することが人々の一番の関心事となり、その評価が画家としての成功をも左右しました。写真というライバルが登場しても、芸術作品としての肖像画は絵画市場での人気が衰えることもありませんでした。モデルに忠実に、ときに優雅さを加えたアカデミスムや折衷派の画家の作風は、肖像画によって自らの威信を高めたいと望む注文主に好まれた一方で、印象派の画家たちはもっぱら家族や親しい人をモデルに肖像画を描いています。とりわけルノワールは、人物を描く独自のスタイルを確立してサロンでも成功を収め、晩年に至るまでこの主題に取り組みました。
- 8章 「近代生活」
- 産業革命による技術の発達と、ナポレオン3世の命でセーヌ県知事オスマンが遂行したパリ大改造は、人々の生活を一変させました。交通網の整備、広い道路の貫通、鉄製の建築や橋の建設、オペラ座をはじめとする劇場やカフェ、デパートの誕生、ガス燈の普及、スポーツやピクニック、競馬といったレジャーの流行、子供を中心に愛情で結ばれた新しい家族モデルや、家族生活のための親密な室内空間の出現。私たちが呼ぶ「近代」とは当時を生きた人にとっての「現代」であり、ボードレールが示したように、歴史の最先端としての「現代」という認識が生じたのもこの時代でした。画家たちは、移ろいやすい現代性を意識しながら、独自の視点で同時代の人々の営みを切り取っていきます。
- 9章 「円熟期のマネ」
- サロンを通じて自作を世に認めさせることにこだわっていたマネは、モネやドガからの再三にわたる誘いにもかかわらず、1874年から断続的に開催されていた印象派展に参加することは一度もありませんでした。しかし、マネは印象派の画家たちとの交流を絶やすことなく、荒い筆触を大胆に残す描き方や戸外制作を彼らから取り入れるなど、新たな試みを重ねながら、1883年に51歳で生涯を閉じるまで独自の画境を切り開き続けました。展覧会を締めくくる本章では、1873年から1881年の間に描かれた6点の作品によって、円熟期から最晩年に至るまでのマネの画業を紹介します。
特別プログラム「キヤノン・ミュージアム・キャンパス」
9月2日(火)の休館日は大学生だけの「オルセー美術館展」無料観覧日!
日時 | 2014年9月2日(火) 10:00~16:45(最終入場16:00) |
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対象 | 大学院生、大学生、短期大学生、専門学校生、高等専門学校の4・5年生 |
申し込み | 不要 ※事前の申し込み等は不要ですが、入館の際、学生証の提示が必要です。また、混雑時は入場制限を行う場合があります。 |
主催 | キヤノン、国立新美術館、読売新聞社 |
関連イベント
講演会
- 「ヌーヴェル・オルセー ―生まれ変わるオルセー美術館」
- 講師:ギィ・コジュヴァル(オルセー美術館・オランジュリー美術館理事長)
日時 | 7月12日(土)14:00‐15:30(開場13:30) |
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会場 | 国立新美術館3階講堂 |
定員 | *定員260名(先着順。なお、整理券の配布はいたしません) |
*同時通訳 *聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券可)が必要です。 |
オルセー美術館展開催記念コンサート
- 「国立新美術館×読響メンバー ロビーコンサート」
- フルートやピッコロを交えた読響メンバーによる管楽器アンサンブル。誰もが知るクラシックの名曲から、印象派の時代に生まれた重要な音楽まで豪華なプログラムをお届けします。
日時 | 7月18日(金)18:00‐19:00(開場17:40) |
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会場 | 国立新美術館1階ロビー |
演奏 | 読売日本交響楽団メンバー(木管五重奏) |
*入場無料・事前申込不要 *座席には限りがあります。 *聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券可)が必要です。 *本コンサートの約170席のうち50席については17:30から入場できる優先枠を設けていますので、ご了承ください。 *本コンサートの模様は、日本テレビの番組で放送されます。テレビカメラでの収録の際、客席が映り込む場合がありますので、ご了承ください。 |
- 「国立新美術館×マグナムトリオ 夕涼みテラス de コンサート」
- 世界で活躍するフルート奏者3人組、マグナムトリオが《笛を吹く少年》の来日を記念してファイフの音色を奏でます。
フルートやピッコロを交えた読響メンバーによる管楽器アンサンブル。誰もが知るクラシックの名曲から、印象派の時代に生まれた重要な音楽まで豪華なプログラムをお届けします。
日時 | 7月25日(金)18:00‐18:40 |
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会場 | 国立新美術館 屋外テラス |
演奏 | マグナムトリオ |
*入場無料・事前申込不要 *雨天の際は会場が屋内に変更になる場合があります。 |
- 「国立新美術館×マグナムトリオ 夕涼みテラス de コンサート」
- 世界で活躍するフルート奏者3人組、マグナムトリオが《笛を吹く少年》の来日を記念してファイフの音色を奏でます。
フルートやピッコロを交えた読響メンバーによる管楽器アンサンブル。誰もが知るクラシックの名曲から、印象派の時代に生まれた重要な音楽まで豪華なプログラムをお届けします。
日時 | 7月25日(金)18:00‐18:40 |
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会場 | 国立新美術館 屋外テラス |
演奏 | マグナムトリオ |
*入場無料・事前申込不要 *雨天の際は会場が屋内に変更になる場合があります。 |
シンポジウム
- 「マネから印象派へ ―1860年代のフランス絵画の変貌」
日時 | 9月13日(土) 10:30‐17:30 |
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会場 | 国立新美術館3階講堂 |
演奏 | 読売日本交響楽団メンバー(木管五重奏) |
*定員180名(事前申込制) |
担当研究員によるレクチャー
日時 | 9月12日(金) 18:30-19:00 |
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会場 | 国立新美術館3階講堂 |
講師 | 本展担当研究員 |
*定員200名(先着順) *聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券可)の提示が必要です。 |