展覧会ホームページ:http://www.tbs.co.jp/american-pop-art2013/
展覧会概要
アメリカ合衆国コロラド州を本拠地とするジョン・アンド・キミコ・パワーズ夫妻は、日本美術および現代美術の両分野における、世界有数のコレクターとして知られています。特にポップ・アートにおいては、アメリカにおけるその黎明期である1960年代から、パトロンおよびコレクターとしての積極的な活動により、アート・シーンに大きく貢献してきました。夫妻は、ポップ・アートがまだ評価を確立する以前からその真価を見抜き、作家を直接支援することによって、現在見るような個人コレクションとしては世界最大級のポップ・アート・コレクションを築き上げたのです。1999年にジョン・パワーズ氏が亡くなった後も、キミコ夫人は積極的な活動を続け、2011年秋にはジャスパー・ジョーンズの版画の研究・公開・普及などを行うパワーズ・アート・センターがオープンしています。
パワーズ夫妻のコレクションは、アンディ・ウォーホルの最重要作品の一つ《200個のキャンベル・スープ缶》をはじめ、ロイ・リキテンスタイン、クレス・オルデンバーグ、ジェイムズ・ローゼンクイスト、トム・ウェッセルマンら、アメリカン・ポップ・アートの巨匠たち、そしてロバート・ラウシェンバーグ、ジャスパー・ジョーンズら先駆者たちの、代表作の数々を含んでいます。しかしながら、本国アメリカ合衆国の美術館でも、その全貌を紹介する機会が持たれたことは一度もありませんでした。
アメリカのポップ・アートは、1960年代以降、21世紀の現在に至るまで、美術にとどまらずさまざまな分野において、今を生きる文化が生み出される前提の一つであり続けています。1960年代におけるその最盛期の名作をまとまった形で紹介する展覧会は、わが国においてもほとんど開催されたことがありません。今回の展覧会は、ポップ・アートの魅力と真価を紹介したいと願う、主催者の熱意と、日本出身であるキミコ夫人の母国に対する思いが出会うことによって、初めて可能となったプロジェクトです。アンディ・ウォーホルをはじめとする巨匠たちの熱気あふれる芸術に触れる、待望久しい貴重な機会となることでしょう。
会期 | 2013年8月7日(水)~10月21日(月) 毎週火曜日休館 |
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開館時間 | 10:00~18:00 金曜日は20:00まで 入場は閉館の30分前まで。 |
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会場 | 国立新美術館 企画展示室2E 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 |
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主催 | 国立新美術館、TBS、読売新聞社 | ||||||
助成 | アメリカ大使館 | ||||||
協力 | 日本貨物航空、日本通運、ユナイテッド航空、キャンベルジャパン、BS-TBS、J-WAVE | ||||||
観覧料(税込) |
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展覧会の見どころ
「アンディ・ウォーホルの最高傑作《200個のキャンベル・スープ缶》を日本初公開。
アメリカン・ポップ・アートの個人コレクションとしては世界最大級のパワーズ・コレクションの全貌を、世界で初めてまとまった形で紹介。
ポップ・アートの黎明期からパトロンとして支援してきた夫妻と作家たちとの交友をものがたる作品を紹介。
ウォーホル、リキテンスタイン、オルデンバーグ、ローゼンクイスト、ウェッセルマン、ラウシェンバーグ、ジョーンズら、巨匠たちの1960年代の代表作を含め、絵画、彫刻、素描、版画、マルティプル等、約200点により、アメリカン・ポップ・アートを総合的に紹介。
アメリカン・ポップ・アートとは
ポップ・アートとは、1960年代に盛んになった大量生産・大量消費の大衆文化を主題とする一連の芸術動向を指します。この語が最初に登場したのは、1950年半ばのイギリスにおいてであり、身の回りにある大量生産の商品やそれらに囲まれた日常生活を題材とした作品が次々に生み出されました。イギリスで誕生したポップ・アートは、アメリカにおいて花開くこととなります。
第二次世界大戦後のアメリカは、まさに大量消費社会でした。テレビやラジオなどマスメディアの普及によって商品や広告のイメージが氾濫し、ハンバーガーやコカ・コーラといった商品はアメリカの代名詞として世界中に広まっていきました。アメリカのポップ・アーティストたちは、商品のイメージやオブジェ、また新聞、漫画、広告といったメディアの手法自体を取り入れることで、自らを取り巻く社会やそこでの経験をそのまま作品に表そうとしました。それは、前世代の抽象表現主義が作品を崇高で難解なものとし、作家を英雄視したのに対し、複製物や日用品を用いることで、作家性を匿名化し、芸術を卑俗な生活と結びつけるものでした。
1950年代末頃から既にジャスパー・ジョーンズやロバート・ラウシェンバーグらはカンヴァスに日用品のオブジェを貼り付けるような作品を制作していましたが、1962年にシドニー・ジャニス画廊で行われた「ニュー・リアリスツ」展がアメリカでのポップ・アートの嚆矢といわれています。アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタイン、クレス・オルデンバーグ、ジェイムズ・ローゼンクイスト、トム・ウェッセルマンらはアメリカン・ポップ・アートの代表的作家です。
関連イべント
記念講演会
- 「アーティストたちとの会話」
- 講演者:キミコ・パワーズ×林 綾野(キュレーター、アートライター)
パワーズ・コレクションができるまでのアーティストたちとの交流について、また作品にまつわる思い出話などを、キミコ・パワーズさんにお聞きします。 -
日時 8月24日(土)14:00-15:30(開場13:30) 会場 国立新美術館3階講堂 定員 先着260名 ※聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券可)が必要です。
- 「アメリカン・ポップ・アートとその時代」
- 講演者:南 雄介(当館副館長・学芸課長/本展監修者)
アメリカン・ポップ・アートの意味するものと重要性、そして生まれた背景について、作品を通してわかりやすく解説します。 -
日時 9月14日(土)14:00-15:30(開場13:30) 会場 国立新美術館3階講堂 定員 先着260名 ※聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券可)が必要です。
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