国立新美術館 広報担当
〒106-8558 港区六本木7-22-2
TEL: 03-6812-9925 / FAX: 03-3405-2532 / E-mail: pr@nact.jp
展覧会概要
独立行政法人国立美術館は2001年4月に発足し、今年で10年目に入りました。これを記念して、東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館、国立新美術館の5館が協力して展覧会を開催します。
私たちが、ごく日常的に目にしている影。この自然現象の働きは、大きくは二つに分けることができます。足元や地面に落ちる人や物の「影」と、光がさえぎられた場所が薄暗く見える「陰」。この展覧会では、影のこれら二つの特質を踏まえながら、視覚芸術のなかで影がどのように扱われ、どのような役割を果たし、いかなる表現を生み出してきたのかを、多角的に考察していきます。
影は古くから、視覚的な表現においてきわめて重要な要素のひとつでした。しかし、その扱いやそこに含まれる意味が、時代や地域、文化によってさまざまに異なるために、通史的に振り返ることがむずかしいテーマともいえます。本展は、国立美術館が収集する西洋近世から内外の現代美術までを射程として、影の諸相に光を当てようとする試みです。総数約33,300点を数える国立美術館のコレクションから、絵画、版画、写真、映像を中心に厳選された100作家・170点の作品をご堪能いただきながら、美術における影をより深く理解する手がかりを見つけていただければ幸いです。
会期 | 2010年9月8日(水)~10月18日(月) 毎週火曜日休館 |
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開館時間 | 10:00から18:00まで ※金曜日は20:00まで。入場は閉館の30分前まで。 | ||||||||
会場 | 国立新美術館 企画展示室2E(東京・六本木) 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 |
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主催 | 独立行政法人国立美術館 | ||||||||
共催 | 朝日新聞社/東京新聞/日本経済新聞社/毎日新聞社/読売新聞社/NHK | ||||||||
お問合せ | ハローダイヤル 03-5777-8600 | ||||||||
観覧料(税込) |
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展覧会の見どころ
国立美術館のコレクションを一堂に
独立行政法人国立美術館のコレクションは、東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館の4館によって保存・管理され、総数約33,300点にのぼります(2010年3月末時点)。その内訳は、20世紀初頭から現代までの内外の美術、写真、工芸、映画フィルムを収集する東京国立近代美術館:約13,000点、内外の近現代の美術、写真、工芸、デザインを扱い、京都を中心とする西日本の美術にも重点をおく京都国立近代美術館:約9,600点、中世から20世紀までの西洋美術を対象とする国立西洋美術館:約4,600点、主に1945年以降の内外の現代美術を収集する国立国際美術館:約6,100点。今回は、この膨大なコレクションから、絵画、版画、写真、映像を中心に厳選された100作家による170点が、国立新美術館の天井高8メートルの展示室に勢ぞろいします。広々とした空間で、国立各館の名品をゆっくりとご堪能ください。
時代・地域・ジャンルを横断する多彩な作品が集結
国立美術館が収集の対象とする西洋近世から内外の現代美術まで、多様な作品が並びます。リベーラ、ロイスダール、クールベ、モネ、ドラクロワなど西洋近世・近代の絵画、ホルツィウス、ピラネージ、ゴヤ、ドーミエ、クリンガーらルネサンスから近代までの西洋版画、岸田劉生、安井曽太郎、須田国太郎、北脇昇などの近代日本の洋画、速水御舟、横山大観、東山魁夷などの近代日本画、スティーグリッツ、ケルテス、森山大道、篠山紀信らの写真作品、デュシャン、ウォーホル、リキテンスタイン、高松次郎、杉本博司らによる20世紀から現代の作品が、一堂に集まります。時代・地域・ジャンルを横断する多彩な作品を、一挙にご覧いただける機会となるでしょう。
影という切り口
「それは、人間の影の輪郭線をたどることによって始まった」―古代ローマの歴史家プリニウスがこう記して以来、影は絵画芸術の起源と結びつけられ、幅広い時代・地域の視覚芸術に欠くべからざる、普遍的で重要な要素のひとつであり続けてきました。けれども、そのあまりの普遍性や、時代・地域によって異なる意味づけの多様さ、複雑さゆえに、影は、体系的に考察することがむずかしい題材ともいえるでしょう。本展は、この大切でありながら取り組みにくいテーマを丁寧に腑分けし、その一つひとつを照らしだそうとする実験的な試みです。視覚芸術における影のさまざまな側面を、より深く理解するきっかけを得ていただけることと思います。
関連イベント
講演会
- 「影から読み解く近代日本美術」
- 大谷省吾(東京国立近代美術館 主任研究員)
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日時 2010年9月12日(日) 14:00-15:00 会場 国立新美術館 3階 研修室 定員 60名(先着順) ※聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券可)が必要となります。
講演会
- 「陰影礼讃展について」
- 中西博之(国立国際美術館 主任研究員)
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日時 2010年9月19日(日) 14:00-15:00 会場 国立新美術館 3階 講堂 定員 250名(先着順) ※聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券可)が必要となります。
アーティスト・ワークショップ
- 「カメラでとらえよう 風のそよぎ 光のゆらぎ」
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講師 秋岡 美帆 氏(現代美術家、『陰影礼讃』展出品作家) 日時 2010年10月2日(土)13:00~17:00 会場 国立新美術館 別館3階多目的ルーム他 対象 一般(小学校4年生以上) 定員 20名 参加費 1人500円 ※参加には事前申込みが必要です。
※デジタルカメラを使用して作品を制作します。